Impressions and Cases
加賀市医療センター基幹型初期研修医2年目の工藤誠也です。
研修医を始める前、金沢大学の5・6年の選択実習で当院を選んだ際からだと2年以上お世話になっています。その頃から、教育熱心な指導医に圧倒され、またコメディカルのあたたかい雰囲気が心地よいと感じていました。また、学生の自分がバックアップありとはいえ医療面接や手技を実践しながら学ぶことが出来、そのような学生にも実践的な経験を積ませてくれる指導体制に興味を持ち、初期研修を応募しました。
以下に大まかな研修の感想をまとめました。
救急:最初はてんやわんやであり、検査のオーダー1つですら冷や汗かきながら指導医と相談していました。最初は常にバックアップがある状態から始まり、自身の力量を見極められながら1人で任せる範囲を決めていき、病状説明や入院のオーダー、他診療科への紹介なども行っていきます。日中の心肺停止の対応は研修医が全員呼ばれ、研修医中心に行っており、2年間で様々な対応を判断できるようになったことも良い経験と感じました。また、断らない救急のため、軽症から重症まで幅広い患者が受診し、偏見で挑むと痛い目に合うということも学びました。
勉強・手技:手技がある際は上級医より声をかけてもらえるため、まわっていない科の手技も経験することが出来ます。足りない症例は率先して呼んでもらえるため、手技の量・種類ともに、1人で自信をもってやるために十分な量を経験できていると思います。
選択:自分は興味のあった脳神経外科・整形外科を始め、皮膚科・泌尿器科・放射線科を回りました。志望を考えている科はかなり高度な内容の外来・病棟・手技を経験でき、手術も率先して入りました。他のローテでは志望科に沿うような形で希望に合う経験を行えました。
いずれの科も目指すものややりたいものなど、上級医と話し合いながら、研修内容を変更・決定できました。
当院に無い科や希望でさらに高次医療を学びたい場合は、同県の協力型病院で研修を選択できます。少人数のため、2年目は自分の興味・希望にあった研修を選び、ほとんどの人は希望通りの研修をできています。
給料・休暇:福利厚生としては特に言うことはありません。自分は休みたい時には休める環境であったと思います。ごはんがおいしいのも温泉が近いのも良い点です。
そんな2年間の研修生活も終わりを迎えました。来年度からは母校の金沢大学にもどり脳神経外科を専攻します。当院で学んだことを生かし、また1から頑張っていきたいと思います。2年間ありがとうございました。まだ見ぬ、学生の方々もぜひ見学に来て、研修を選んでいただけると喜ばしいです。
加賀市医療センターで2年間基幹型研修医として研修をさせてもらいました森 雅博と申します。私は学生時代から将来内科に進もうと考えていたこともあり、初期研修では特にcommon diseaseを多く経験でき、かつ救急の経験を積むことのできる病院を選びたいと考えていました。その視点で初期研修病院を探していたときに、学生時代の総合診療科実習で同じ班のメンバーがこの病院に行き学生の間から色々と経験させて貰えてすごく良い実習ができたと話していたのを聞きました。学生の時点で色々な経験ができるなら研修でも色々と経験を積むことができそうだと思い、色々と調べてみたところ救急件数も石川県内でも多く、common diseaseも多く経験できる病院であることがわかり、実際に見学に何度か行かせてもらって雰囲気も良さそうだと感じたことからこの病院を選びました。ここからは主に研修内容(特に内科、救急を中心に)と病院の雰囲気や良かった点を書いていこうと思います。
まず研修内容についてですが、当院の内科研修は基本の6ヶ月間は各専門領域(消化器・循環器など)をまわっていくといった形式ではなく、総合内科として各専門分野の先生とともに様々な症例を受け持つというスタイルとなっています。入院の受け持ち人数も最初は1,2人から始めて慣れてきたら徐々に増やしていく形です(個々の技量や志望科にもよりますが多いときで7~10人程度でした)。入院中の検査や結果の解釈、点滴や処方の調整、患者・家族へのICなども指導医の先生と相談しつつ行っていきます。僕自身初めはわからないことだらけで指導医の先生に聞いてばかりでしたが、徐々に自分なりにアセスメントを考え、その上で指導医と相談しながら病棟管理を行うことができるようになっていきました。また外来研修については、週1~2回程度指導医の先生と一緒に初診外来を担当し(1~5人/回)、問診・身体診察を行った上で指導医にプレゼンし、鑑別診断を挙げつつその上でどのような検査が必要か相談していく形でした。病棟業務とは異なり外来という限られた時間の中で必要な検査、処方を考える訓練ができ内科志望の自分にとっては大変勉強になりました。また私は2年目時に内分泌代謝内科を専門とすることに決めたため、基本のローテートが終わった後も追加で内科を回らせてもらいましたが、その時には内分泌代謝領域の症例を多くもたせてもらい、また初診だけでなく再診外来も経験させてもらうことができ、専門に進む前に大変貴重な経験をさせてもらえました。
救急については基本的には研修医がファーストタッチを行います。初めのうちは指導医の先生や2年目の先生に見てもらいつつ診療を行っていきますが、慣れてくると自分である程度検査まで入れた後、その結果を見た上で指導医にコンサルトし方針を決定していきます。もちろん迷った症例であった場合はすぐに上級医と相談することもできるのでその点は大丈夫です。今でも救急対応はやはり不安なところもありますが、それでもこの病院ではかなりの数の症例を見ることができるので、数を見たということは自分の中でもある程度自信になっています。
その他も麻酔科では気管挿管やルートの確保、術中の麻酔管理の基礎を、外科では縫合や緩和ケアなど、小児科では小児診療の進め方を、産婦人科では実際のお産の様子などを学ぶことができました。また、選択として泌尿器科や皮膚科も回らせてもらい尿道カテーテルの入れ方や泌尿器領域のエコーの当て方、軟膏の処方の仕方などを中心に学ぶことができました。またその時にまわっている研修科とは別にCVの挿入や腰椎穿刺、アンギオなどの手技があった場合に先生方が声をかけてくださり、それらの手技の経験を積むことができました。
次に病院の雰囲気や良かった点について書いていきます。一番印象的だったのがコメディカルの方々がとても勉強熱心でわからないことがあった時に色々と丁寧に教えてくださったことです。働き始めて改めて感じたことですが、日々の診療は看護師、検査技師、リハビリ、栄養士の方々といったコメディカルの方々に支えられて成り立っている部分が大きく、コメディカルの方々と話しやすく、互いに学び合うことのできる環境はとても良いところだと感じました。
その他の良かった点として外部の病院とも連携して研修を行うことができ、例えば私も2年目に読影についてもっと学びたいと思い石川県立中央病院の放射線科を回らせてもらいました。その他毎週火曜日にある救急症例について学ぶ総合診療科のカンファレンスや毎週水曜日にある抗生剤についてのレクチャー、英語論文を読む抄読会などの勉強会も充実しています。
また病院の立地も駅前と大変よく、周囲には温泉も多く当直明けなど日帰りでよく温泉に入りに行ったりもできました。
この2年間の研修では大変多くのことを経験できました。指導医をはじめ、研修医、コメディカルの方々には本当に感謝しています。どうもありがとうございました。
最後に学生の皆さんの中でもし少しでもこの病院に興味がある方がいれば、研修病院を選ぶ参考になると思いますのでぜひ一度見学に来て直にこの病院の雰囲気を体感してもらえればなと思います。