Impressions and Cases
始めまして、初期研修2年目の齊藤謙二と申します。わたしは会社員をしていて福島で東日本大震災に遭い、思うところがあって医師を志しました。初期研修は周辺の住民が皆受診に来るような病院で、かつ救急診療の中でファーストタッチが経験できることを希望しておりました。いくつか馴染みのある土地で探していたところ、この考えに合致した加賀市医療センターで医師生活を始めさせていただきました。
基幹型初期研修医の募集を開始した初年度ということで全く不安がなかったわけではないですが、今はこの病院を選んでよかったと思っています。未熟な研修医に対し、先輩医師を始め、コメディカル、スタッフの方々があたたかく大らかな気持ちで接してくださり、自分なりに患者さんと病院の皆さんの役に立ちたいと思える職場環境です。また、選択科目の研修内容は融通を利いてもらい、午前は外科系の外来で午後は救急科、内視鏡の重点期間など、細かい希望を通してもらっています。
医師として土台となる研修の中で身についたことは、「患者さんに寄り添い、話をよく聞いてどうしたいかを掴むこと」と「目的をもって身体診察や検査をすること」です。病歴を聞いて治療するのみならず、社会的背景を踏まえ生活の中にどう戻ってもらうか、包括的に取り組む姿勢が身につきました。またやみくもにするのではなく、必ず対象疾患や状態を想定して身体所見を取り検査オーダーを出すようになっています。
1年目は内科と救急科のウェイトが高いのでこの2科に触れます。内科ではアセスメントとプランについて、エビデンスを持って論理的に組み立てていくことを叩き込まれました。救急科では最初から診療に参加し、緊急を要する重篤な疾患を除外していくプロセスが身につきました。内科症例は内科6ヶ月で入院患者50人、救急症例は救急科3か月の200人と救急当直1年間で200人、その環境に応じてじっくり考え丁寧に診療に臨み、後にフィードバックできる適度な数であったと思います。他の科では研修医1人でローテートするため、麻酔では挿管、外科では縫合など、基本的な手技を徹底的に習得できています。
1人でも多くの方が加賀市医療センターに興味を持ち、まずは病院を見学していただき雰囲気を感じていただけたら幸いです。