研修医の感想・経験症例など

Impressions and Cases

研修生活について

加賀市医療センターでの研修では、病歴診察、身体所見の診かたなどを非常に丁寧に学べ、将来どの科に進んでも使えるような知識を中心に身につけられました。担当患者に関することは、ほかのだれよりも知っていると自信をもって言えるほど一人ひとりの患者からたくさんのことを吸収できました。
救急でも、”断らない医療”を掲げている病院であるため、重症な疾患から社会的な問題を抱える患者まで幅広い範囲を経験させていただき、ほぼ全例で初期対応からタッチして、対応させてもらっているため、優先順位のつけ方や、見落としてはいけない疾患の除外を最低限自分で行えるような能力をつけられました。
また、研修医の数も2人と多くはなかったため、内科を回っている際でも、他の科での手技も積極的にさせていただき、技術面でも大きく成長できるような研修でした。また診療での疑問があれば、他科の先生にも相談しやすい雰囲気もあり、どの先生も親切丁寧に指導してくださいました。
新年度になってからは研修医の数も増え、お互いに切磋琢磨しながら情報共有できるような環境もできています。

以上のような、研修医としての仕事も充実した研修を送らせていただきつつ、仕事以外の面では加賀市という地域の魅力も感じながら研修しています。加賀市は温泉街で有名であり、時間に余裕があるときは総湯に入りに行ったり、温泉に泊まりに行ったり、他にも、観光地として鶴仙渓や、加佐ノ岬という有名なパワースポットを始めとする自然ゆたかな土地で、日々の診療の疲れを自然に癒されています。
私はジョギングも趣味であるため、加賀市の落ち着いた風土の中で趣味も満喫できています。また、温泉や自然に加え、ごはんや日本酒などもとても美味しいです。飽きるまで食べられる蟹のフルコース、全国的に有名な寿司屋での飲み会の機会もあり、食も十分に堪能できました。

たすきがけで1年間のみの外病院での研修ですが、大学で経験できないようなことも十分に経験でき、病院における診療はもちろんのこと、診療時間以外でも充実した研修生活を送りました。

研修医の一日

金沢大学のたすき掛けとして1年間研修しました。現在2年目として大学病院で研修を続けていますが、改めて加賀市医療センターで研修医をスタートできて良かったと感じています。

私は一人で当直ができるようになること、どの科を専攻しても必要な手技や考え方を身につけることを研修医の目標としていました。

最初の目標に関しては、1年間沢山の患者さんを救急外来で診ましたが、やっぱり当直はとっても怖いです。そして、どれだけ経験を積んでも怖い気持ちを忘れちゃいけないなと身を持って感じました。実は重篤な病気が隠れているウォークイン、突然痙攣し始める高エネルギー外傷、目の前の患者に自らの判断でCPRを始める...勿論頼りになる先生と対応し、指導してもらいます。その度により一層、緊張感を持って対応しないとな、もっと勉強しなきゃと感じました。

そんなハラハラドキドキの経験だけではなく、自分が縫合した創部を総合診療科で最後まで経過を見たり、患者さんや家族からじっくり話を聞いて鑑別を考えたり、鑑別診断の楽しさも教えてもらいました。

二つ目の目標に関しては、内科研修で肺炎などのcommon diseaseは主治医としてICを指導医の元で行ったり、どこをゴールに退院するのかを考えたり、入院から退院までを担当しました。専門性の高い疾患に関しても、自分が専門外でも適切にコンサルトできるよう、入院を担当しながら初期対応や薬の使い方、経過で注意すべきことなど指導してもらいました。外科では縫合やPICC、化学療法、麻酔科では何十件もの挿管、ルート、A lineをベテランの先生に珈琲の入れ方と一緒に伝授してもらいました。

振り返ると尿管ステントや気管切開の助手、慢性硬膜下血腫の開頭、髄膜炎の腰椎穿刺など一年間で書ききれ無い程、沢山の経験をさせてもらいました。仕事以外にも、美味しいご飯屋さんに沢山連れて行ってもらったり、温泉に行ったり、とても充実した一年でした。そして何より、指導熱心で優しい先生方は珍しい疾患や手技があれば研修医を呼んでくれますし、コメディカルの皆さんは優秀で気さくで、色んな場面で助けてもらいました。また成長してこの病院で働ける日が来るように、頑張りたいと思います。一年間ありがとうございました。

1日の流れ