学生・研修医勉強会

当直レビュー

 加賀市医療センターでは「断らない救急」を掲げ、内科系・外科系各1名の当直体制で石川県内でも有数の患者数に対応しています。初期研修医は、1ヶ月に内科系2回・外科系2回(うち当直(翌朝まで)2回、準夜(22時まで)2回)を担当します。小児から高齢者まで、walk inも救急搬送も、あらゆる救急疾患を経験でき、初期研修医として十分に臨床能力を伸ばす機会を得られるのが加賀市医療センターの夜間休日診療です。臨床研修指導医あるいは初期臨床研修を修了した若手医師が救急当直診療の指導にあたっています。

 症例数は十分ですが、確実に経験を自分の成長に生かすためにはフィードバック(復習)が必須です。電子カルテ時代になり、入院後の経過や専門外来でのアセスメントは自分でいつでもチェックすることができるようになりました。疑問点を勉強して解決しておけば、すぐに次回の当直で生かすことができます。更に入院後自分でベッドサイドに行けば経験が深まりますし、入院/外来担当医から直接フィードバックを受け、CT所見を放射線科医から教わり、細菌検査室でグラム染色を見せてもらえば、1症例から何倍も学ぶことができます。学ぶ意欲をもって院内を走り回った研修医は、足を運んだ分だけ成長していきます。

 しかしながら、研修医個人が行うフィードバックには限界があります。そこで当直担当の指導医とは別に研修担当医師が後日カルテチェックを行い、コメントするシステム(当直レビュー)をとっています。診療内容は当直中の指導医が確認していますので、研修担当医としては① 基本的な症状に対する病歴の知識を整理すること(各症候の重要な陽性・陰性所見を記載する)、② 目的意識をもった身体診察を行うこと(「救急外来のカルテに呼吸数が記載されているのが良い研修病院の条件である」などの基本事項を含む)、③ 経験した症例から最大限学ぶ方法の提案、④ 検査前・検査後にそれぞれ論理的なアセスメント・プランが書けているか、などの視点を中心に確認、コメントしています。担当者が前任の病院から200回以上の研修医日当直をチェックし続けてきた経験をもとに当院でも2018年度から開始した内容です。正直に言って、指導医の負担もありますが、地道に継続することによって研修医の先生達のカルテ記載が1年後には見違えるように向上することを実感してきました。

 なお、各勤務の診療に対するレビューはプリントアウトして、担当研修医のみでなく在籍する研修医全員へ配布し、更にファイリングしています。基本的な臨床能力を身につけるには、原則を何度も読み込んで現場での行動に繋げなければいけません。したがって、繰り返し復習してもらえる体制にしています。当院へ見学にいらっしゃる学生、研修医の皆さんも是非『加賀市医療センター 当直レビューファイル』を覗いて帰って下さい。


文責:内科・リウマチ科(研修担当) 鈴木 康倫


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