学生・研修医勉強会

シェアカン

 加賀市医療センターでは2019年度に5名の1年目研修医を受け入れるにあたり、新たなカンファレンスを開始しました。以下は院内掲示用の紹介文です。


シェアカン開催履歴


研修医の感想

シェアカンは非専門領域についての学びを専門医から学ぶ場として設定され、該当領域の診療における要点を理解します。具体的に患者さんが来た場合の対応を変化させるところまで行き着くことが目標の1つです。
実臨床においては専門領域の病気しか持っていない患者さんの方が珍しく、殆どは他の内科疾患の合併がみられます。このような機会を得ることで参加者の非専門領域の診療における成長につながる場となっています。

プレゼン後に各非専門医が自分の過去の認識を述べ、今後の方針はこうすればいいのですか、等と質問されています。我々研修医にとっては、非専門医の先生方がすべてにおいて完璧であるわけでないことに気づくことができ、また診療上での悩ましいポイントは皆同じように抱えているのだと理解することにつながり、実に励みになります。また、的を射ない発言であっても許容される場となっていることが研修医でも発言しやすい雰囲気を作っています。

今後における要望を考えてみますと、我々研修医は経験知が圧倒的に不足しています。実臨床では当然のことであっても、経験していないことが多数あります。それを補うという上でも、指導医の先生方の経験値を分けていただく様な形で、先生方が危険な”匂い”を感じた過去の症例経験や臨床現場におけるpitfall、場合によっては失敗体験を共有していただきたいです。先生方からの直接のお話は本で読むよりも数段印象に残る体験として蓄積されると思います。

シェアカンでは、上級医の先生方が普段の診療で経験した非専門領域の症例をどのように考え、診断したか、治療したかを共有してきました。
先生方の知識量に圧倒されますが、悩みながら診療し、試行錯誤している姿も見られ、改めて幅広い知識は必要だなと感じました。
専門医の先生から症例についてのさらに深い知識や、普段の救急外来で生かせるような診断のためのポイントも教えて頂けることもあります。
疑問に思ったことをネタに、話が発展していき30分では終わらない、内容の濃い時間だなと思います。
専門医の先生方の考え方だけではなく、非専門医の先生が日常診療で困った症例をどう考えていくのかは、研修医にとっては新鮮で役立つ知識が沢山でてくるので、このような形で続いていってほしいなと思います。

シェアカンファレンスというのは、指導医と研修医が臨床経験を共有するために始めたものであると考えております。まもなく、第10回を迎えようとしていますが、指導医達が過去経験された意義のある症例をプレゼンし、その後研修医も交えて自由に議論することにより、視野を広げ、実践的な臨床レベルのupを目指すことができました。また、新しい診断基準などについても、みんなで共有することができて、大変有益な勉強会であったと思います。これからも、ぜひ継続していただければという風に思っておりますが、もっと持続的で有益なものにする為には、以下の2点について、ご提案させていただきたいと思っております。

  1. 指導医を始め、研修医も交えて方向性などについて、議論する必要性があると思います。
  2. 当番を決めて、当番の研修医と指導医が話し合いでテーマ(症例など)を決めることで、皆さんのモチベーションのUPが期待できるのではないかと思われます。

シェアカンの感想についてですが、私は現在のシェアカンのシステムには満足しています。
先生方の幅広い知識から生み出される議論の数々は大変ためになり、勉強になっています。

改善案についてですが、多くの人を巻き込むためには、やはり先生方-研修医間のコミュニケーションが最も大事でありますが、それに加えて先生方同士のコミュニケーションも重要であると考えます。
そうすることにより、次のカンファレンスの話題を頼みやすい環境作りができるはずです。
まずは、さらに多くの先生方にこのカンファレンスの存在を周知した上で、より大きな会議室で行うのも一手かと思います。
多くの先生方に来て頂くことでよりカンファレンスに深みも出てくる気がします。

その一方で、日々診療で忙しい先生方の貴重なお時間を頂いているわけであり、できるだけ先生方の負担を減らすことが肝要です。
我々研修医が資料の印刷を始めとした仕事を担うくらいしか現在のところ思い浮かびませんが、具体的に学びたいことで準備が簡略なものとしては、エコーの見方、各種画像検査の読影方法 などがあると思います。
また、某テレビ番組ではないですが、先生方が経験した患者さんの中から診断に苦慮した、または特徴的な疾患を我々が協力して診断するなどしても勉強になると考えます。
研修医の目から見て学びたいと思う内容には限界がありますので、各先生方が改めて学びたい基本事項などについてアンケートをとってみるなどしてもよいと思います。

指導医が体験した意思決定のプロセスを臨場感を持って疑似体験することで、血の通った見解を得ることが可能である。またそこから抽出される医療的エッセンスは、今後自分が困難に直面した際の道標になるであろう。今後も指導医の体験とエッセンスを得て、臨床医としての素養の一助となることを期待している。

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