研修医症例検討会

2019.9.17 第6回 研修医症例検討会

第6回 2019年9月17日(火)17:00~
『研修医とともに学ぶ非専門医/医療スタッフのための女性の腹痛診療』
担当 築田医師
指導 産婦人科 松寺医師 吉田医師
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加賀市医療センター 第6回研修医症例検討会を開催しました。

 今回は、初期研修医1年目 築田 紗矢 先生が『研修医とともに学ぶ非専門医/医療スタッフのための女性の腹痛診療』の演題で発表しました。今回も複数診療科の医師に加えて、看護師、検査技師、薬剤師、放射線技師、事務担当者など多職種に渡る計42名のスタッフが参加されました。今回は司会を呼吸器内科 吉田 匠生 先生にお願いし、テーマに関連する専門医として産婦人科 松寺 直樹 先生に来て頂きました。

 「非専門領域における達成目標は学生、研修医、指導医全て同じ」というコンセプトのもと、参加者全員が今回のテーマの専門医である産婦人科医から学ぶことができました。冒頭に述べましたが、院長や多職種のスタッフが参加し"続ける"研修医カンファレンスが行われている教育病院は稀有であると思います!

 現在、当院で産婦人科をローテート中の築田先生から、過去の症例を含めて当院で経験した異所性妊娠、卵巣出血、卵巣嚢腫茎捻転、骨盤内炎症性疾患(PID)の症例をそれぞれ提示して頂きました。

 当院で購入した『CareNet DVD:産婦人科医ユミの頼られる「女性のミカタ」』と、担当者から課題図書に指定した『女性の救急外来 ただいま診断中!』をもとに妊娠可能年齢女性の腹痛診療の流れ、各疾患の解説、妊婦さんが救急外来に来た場合の重要問診事項など整理してもらい、共有しました。

 研修医からのメッセージとして、
・妊娠可能年齢(一般には12~45歳)の女性が受診したら、まずは妊娠を否定することが重要
・腹痛+妊娠反応陽性は即コンサルト
・「妊娠していない、現在生理中」は要注意
 の3点を挙げて頂きました。

 その後、以下の点について専門医の先生からコメント頂きました。
・月経歴の聞き方について:月経周期のどの時期に腹痛を来しているかで鑑別疾患が変わる。黄体期は14日と固定されているので、"次の予定日"を聞いて逆算することが有用。
・救急外来での妊娠反応検査の使い方について:患者さんへの伝え方や費用の点など未解決の部分が残りましたので、築田先生の宿題となりました…。
・救急外来から産婦人科へコンサルトする方法などについて
・妊娠反応陽性と判明した救急患者の、その後の対応について

 特に男性研修医にとって苦手と感じられることが多い領域かと思いますが、今回も名司会と専門医の経験に即したコメントにより深い学びを得ることができました。
 研修医の先生方は、是非提示したDVDと書籍で勉強しておかれることを勧めます。
 次回は小児科領域をテーマにしようかと相談中です。参加頂いた皆様、ありがとうございました。今後とも宜しくお願い申し上げます。

文責:内科・リウマチ科(研修担当) 鈴木 康倫

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